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個人投資家NOW
将来の主役たち
2004年8月18日  日本経済新聞(夕刊・1面)掲載記事  PDF
 「ちょっと、下げてるわよ!早く売りなさい」「いくらになったら買えばいい?」--。七月下旬の東京証券取引所。実際に株を売買している雰囲気が味わえる二階の株式模擬売買のブースは、夏休みに入ったばかりの十六組の親子の熱気でむんむんだ。
 この日は東証が中学生を対象とした「親子金融体験バスツアー」を開催。丸い一日かけて日本銀行や野村証券のディーリングルームなどを回る。昨年に続き二回目だが、募集から三日で定員がいっぱいになる人気の企画だ。
 「子供に『株ってなに』って聞かれて答えられなくて」。中学一年生の長男と参加した横浜の主婦は苦笑しながら参加の理由を説明する。中山真理さん(44)・かりんさん(13)親子は「投資のことは学校では教えてくれない」とわざわざ香港からの参加だ。
 親のほとんどが「株式運用は興味があるけどちょっと・・・・・・」と未経験者なのに対して、子供達はこだわりがない。模擬売買で一番の利益をあげた小沢貴大君(14)は「ゲームみたい」とにんまり。自分でツアーに申し込んだという菅野光君(14)も「もっと勉強したい」と笑顔を見せた。
「株のような金もうけを教えるのは不謹慎」。これまでの日本の教育関係者の言い分だった。「それこそおかしい。株式投資は経済の最高の教材」と東証の赤峰信審議役(54)は反論する。株式投資に抵抗のない世代に正しい知識と経験の場を提供したいと話す。
内閣府の二〇〇二年の調査によると証券投資の経験者は二十代で五%、三十代で一割どまり。勢いを増す個人投資家の層を厚みのあるものにするためには、未来の投資家たちを育てる努力が欠かせない。

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